研修会「処遇改善加算の申請の手引き」

令和7年8月22日(金)大宮 ソニックシティ
講師:柳 修二 氏(株式会社 福祉総研 取締役)

5月にも行った処遇改善加算の研修会、総会でお話いただいた今後の保育運営の復習も踏まえ、今後処遇改善加算を進めるための準備すべき計画の内容と、処遇改善加算に関しての計算方法などに関して、今回も柳修二氏に変更点の解読、解説と実務の手引きをご教授いただきました。90名程のご参加の皆様には今回もとても解りやすかったと大変好評でした。

主に留意すべき点や予想される対応すべき点について、下記のような説明がありました。今後、各園での対策として、最低賃金に関する注意が必要になってきます。埼玉県では令和7年度に最低賃金が1,141円になる可能性があります。事務員や用務員の正職員の給与計算において、月給から最低賃金を割る際に、保育士以外の職員の最低賃金上昇にも注意が必要になります。

また、処遇改善の区分変更に関して、区分1:従来の加算Iの基礎分とキャリアパス要件(要件未達成の場合は2%減額)。区分2:従来の加算II (月額9,000円)に賃金改善要件分が加算。加算による改善見込み額の1/2以上は基本給または毎月の手当で支払う必要があります。園長兼役員への支給が可能になりました。区分3:従来の加算II(5,000円~40,000円分配)で、大きな趣旨の変更はありません。人数Aの4万円1名以上の確保要件が撤廃されました。園長は支給対象から除外されます。副園長、主任、年度内に研修修了者および修了予定者(職位、職務命令あり)が支給対象です。職務分野別リーダーでも、園が認めれば副主任保育士と同等の対応が可能です。

注意として区分3は、他施設への充当はできないということを再度整理しておきましょう。処遇改善加算されたものを支払う方法に関する変更点がいくつかあります。加算I(区分2分)の支払い方法に変更は ありません。加算II(区分2分)では、2/3以上の要件が撤廃され、園長兼役員への支給が可能 になりました。加算II(区分3分)では、人数Aの4万円1名以上の確保要件が撤廃されました。

給与規定や給与明細の各種加算の名称は、趣旨変更ではないため、急いで変更する必要はありませんが、将来的には変更が推奨されます。令和7年度からは、賃金実績に基づいた計画・報告が求められます。園児減少による収入減の場合、法定福利費を抜いた金額の支払いをしていれば、収入額以上の支払いがなくても問題なくなりました(以前は積立金取り崩しでも前年度以上の水準維持が必要でした)。総額記入で 済む場合と、個人額の入力が必要な場合があります。1/2要件は市への申請以降、満たす必要があります。人勧分は前年度のものが引き継がれるため、継続して支払う必要があります。

今後も処遇改善加算についての新たな情報などがありましたら、お伝えしていきたいと思います。